漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

白い兎は悪い奴!/『実録昭和猟奇事件』佐藤まさあき

 年金払う気がどんどん薄れてくな~。むしろ年金のほうが払ってほしくないと思っているのかもしれず、払わなかったほうが感謝される可能性に一縷の望みを賭けているが、そうでなかった場合詰みますね。
 もっと柔軟な発想で年金と付き合わねばと考え、まず納付書を2つに分けて一方には「ありがとう」もう一方に「ばかやろう」と書いた紙を貼ってみた。さらに前者には美しいクラシック音楽を、後者には自分の屁のサンプリングをそれぞれスピーカーで聴かせつつ1週間放置しておいたが、どちらも納付額が減ったり増えたりしている様子はなかった。このままもう5年くらい寝かせてみよう。

 


 

f:id:jackallsasaki:20190724184706j:plain

  kindle unlimitedでドキュメント漫画『実録昭和猟奇事件』読む。作者は『影男』『堕靡泥の星』の佐藤まさあき先生。全6巻中、1~3巻では2か月の間に8人を殺害した連続強姦殺人魔の大久保清(昭和46年)を取り扱っている。甘いマスクと凶悪な本性、薄っぺらいプライドを持った大久保の人となりは、様々なアウトローを描いてきた佐藤先生にとってはさぞ魅力的な題材だったろう。ただ、大久保の自供は1つ1つはともかく、全体を通してみればかなり不自然で無理が出てくるものだったらしく、作中でもツッコミを入れられていたりする。なんでそんなに警察関係者ばっかりナンパしてるんだよ! とか。
 4巻の題材は吉展ちゃん誘拐事件(昭和38年)。とある刑事の足を使った地道な捜査により、真犯人・小原保のアリバイが次々と崩されていく終盤の展開は実にスリリング。5巻は帝銀事件(昭和23年)。容疑者は逮捕されたもののいまだ全貌がつかめず、謎の多いこの事件をわかりやすく劇画化。明らかに創作だろとわかるキャラがノイズになっているがまあそれはそれで。6巻はドキュメントというよりは実際の事件を元にしたというだけの中編2本で、住友財閥令嬢誘拐事件(昭和21年)、もく星号墜落事故(昭和27年)を題材にしている。
 昭和の怪事件入門編といった趣で、なかなか読みごたえがある。帝銀事件についてはもっと調べたくなったな~。