漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

かわいい人間よ お嫁になって/『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

  駅前のつけ麺屋がタピオカ屋に改装してた。今このタイミングで…? 
 タピオカミルクティーはうまい。ブームの立役者となったGong chaのタピオカミルクティーはつくづくうまい。ミルクティーつっても烏龍茶だのほうじ茶だの玉露だのもあるし、甘さや氷の量も選択できるし、そもそもタピオカだけじゃなくナタデココだの亀ゼリーだのアロエだのバジルシードだのをトッピングすることもできる。「タピオカのカロリーwwww」とか言ってる奴はアロエ入れて飲んでいればよろしい。お茶自体も薫り高く甘さも控えめ、タピオカも競合店に比べると少し小さめで飲みやすいうえに風味も豊か、ついでにお値段もスタバとかに比べれば全然安い。人気店は人気店なりの理由があるなと素直に感心した。

 でも、明らかにブームに乗っかった的なポッと出の店には正直そういうの期待できないじゃないですか。ウチの近辺でもすでに駅から2分のとこにまったく客が来てないタピオカ屋があるし、なんなら大通りからちょっと外れたスナック街にすら1軒あるし、どういう勝算があってやってるのか? って話ですよ。ていうか、店側ももう薄々タピオカ屋は飽和状態だってことに気付いているでしょうに! 
 というわけで、私どもが提案させていただきたいのがこちらのフランチャイズなんですけどね。釘ぢくわと言いまして、ちくわに釘を詰めた郷土料理です。特別な技術が無くても始められますし、そもそも観賞用で食べられ(以下、会員限定記事。残り4万6023字)

 


 

 ヘル労働が一段落したので、ようやく『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』観てきた。昔むかし、1969年のハリウッドに、落ち目の元イケメン俳優・リック(レオナルド・ディカプリオ)と、彼のスタントマンであるクリフ(ブラッド・ピット)がいました。2人は最近イマイチ伸び悩んでいましたがメチャメチャに仲良しで、一緒に出演作をテレビで見ながら酒を飲んだり、新作撮影のためがんばったりしていました。彼らの隣人は『ローズマリーの赤ちゃん』の監督、ロマン・ポランスキーと、その妻で女優のシャロン・テートでした。そんなある日、クリフは街で拾ったヒッピー娘のコミューンに足を踏み入れてしまい…。
 要はマンソン・ファミリーによるシャロン・テート殺人事件を題材にした映画なのだな、と思って観ていると、これがまた全然そんな展開にならない。自らの堕落ぶりに涙しつつも奮起するリック、そんな彼を無二の親友として支えるクリフ、特にストーリー的には何もしていないが天真爛漫なシャロン、そんな彼らの日常ドラマをたっぷりの尺と凝りまくったビジュアルでのほほんと描いていく。「ワシはこれを撮りたいし見せたいんじゃ~~~!」という作り手の熱意はビンビンに感じられ、居酒屋で先輩の妄想オタ話を延々と聞かされているような気分になってくる。正直言ってストーリーは薄く、ラストの展開についても「それでいいんかい」「前のアレと一緒やん」と思ってしまうが、「昔むかし…」で始まるお話にそんなことを突っ込むのは野暮だろう。気負わず観られるきらら4コマみたいな大作。良い。