漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

【日記】決闘ハレンチ星団/『飼育病棟』関よしみ

 ワクチン打った翌日は注射された周囲が腫れたように痛み(実際は腫れていない)、なんだかやる気が起きないボーッとした1日を過ごした。ボーッとしているうちに日が暮れるのはいつものことなのでワクチンの影響とも言い切れないが。打った当日と翌日は酒を抜いていたので寝付けなかったせいもある。
 そうした不調も2日後にはほぼ完治。土曜はSkypeで話し合いなどしたが、久々の酒が進むこと進むこと、普段あまり飲まない9%のストロングを次々と空けたあげく完全に記憶がブラックアウトし、何を話していたのかもまるで覚えていないまま寝てしまった。妻によると急に静かになったので、部屋を覗いてみたところ女性器の俗称を連呼しながら大の字でぶっ倒れていたとのこと。やはりワクチンは体に悪い!(体内5Gで接続しながら) 

 


 

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 kindle unlimitedで関よしみ先生の短編集が読み放題だった…のだが、最近期間終了してしまったらしい。トップクラスに怖く、心に刺さり、一ひねりも二ひねりもした先読み不可能の恐怖短編を量産できるホラー漫画の大家である。
 関先生のホラーは基本的に心理スリラーであり、思春期の少女の目に映る社会・世界の歪みをそのまま「怪異」「恐怖体験」として描き出している。個人的には上の『飼育病棟』は特にバラエティに富んでいてオススメできる。ストーカーの周到な罠にからめとられる恐怖を描く表題作「飼育病棟」のようなストレートに怖い話から、都会にひたすら雪が降り積もる「だけ」というシチュエーションで人間のエゴと醜さを暴き出す「凍った涙」のようなパニック映画さながらの話まで、どれも抜群に面白い。

 

 また、女教師が覚醒剤入りのオシッコでクラスメイト全員を奴隷にしてしまう「マッド・クラス」や、

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 銀行強盗が人質たちに「自分たちを笑わせたやつから解放してやるが、つまんなかったら殺す」と言い放ち、地獄のかくし芸大会が始まる「笑わせろ!」など、並のホラー漫画ではまず見られないシチュエーションも多い。

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 本当にどの作品もハズレがない。いずれ、主要作品をじっくりとレビューしてみたいと考えております。

 

【日記】王女様にオーバーヒート!/世界のスパイス「ザ・クラフトコーラ」

 「ワクチン打てるヨ」と言われたので「打つヨ」と答え、1週間後には打てる運びとなった。前日、いろいろ調べていたら「ワクチン接種2週間前後は禁酒禁煙が望ましい」などと書かれていたが、もうその日はストロングゼロイエローショットを2本空けていたのでヘパリーゼを飲んでプラマイゼロにした。
 会場まで汗ダラダラで歩き、着いた頃にはもう疲れ果てていたがワクチン接種自体はあっという間に終わった。事前に書いた問診票を渡して、待って、45秒ほど話をして、あと左上腕にチクっとして15分待って終わり。筋肉注射は痛い、などと聞いていたがぜんぜんそんなことはなかった。むろん5Gに接続したり磁力が発生したりといった兆候も今のところない。左上腕の注射された箇所はちょっと熱を持っている感じがあるが、左下腕、右の上下腕は問題なし。赤外線アイの調子もよく、強酸ぶくろの具合も快調。見よ! このアシッドブレスを! 勢いよく発射された強酸液の奔流は、官邸に向かっていたバッハ会長の乗る公用車を直撃し(中略)私がなぜ“ぼったくり男爵”と呼ばれているか、これでわかったかね?」「こいつは…面白くなってきやがったぜ……!」

 


 

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 それはともかく、「世界のスパイス」のクラフトコーラを箱で買いました。ここ最近は一家でこればかり飲んでいたのだが、ぶっちゃけ一般ウケするような味には思えず、スーパーやコンビニでも見かけなくなってきたので通販で購入したしだい(とか思って手たらまたコンビニでも見かけるようになった)。

 口コミを見るかぎり「薬くせぇ」「コーラを名乗る蛮族」「人工甘味料が悪い方向に作用してる」などさんざんに言われているが、え~~~。そう? コカコーラやペプシコーラの炭酸がキッツくなってきた身としては、ほどほどの炭酸で喉への刺激も適度、クローブの香りも程よいアクセント、でカロリーも低めで罪悪感なくガブガブ飲めるというパーフェクトドリンクなのだが…。

 で、モスバーガーの新メニューにもクラフトコーラが登場したので飲んでみると、あ、これ全然違うわ。たぶんこっちはローカロリーの人工甘味料じゃなくて砂糖使っているけど、自然かつしつこくない甘さだし普通にうまいわ。世界のスパイスのクラフトコーラも飲めるけどね!

 そのうち世界初のクラフトコーラ専門店の伊良コーラにも行きたいですね。つーか澁谷店あったのか。行こ。

iyoshicola.com

 

【日記】 ネバー・セイ・ネバー/「ウルトラマントリガー」

 去年大学に入った甥に「サークル活動とか、やっちぇたりしゅるの?」と聞くと「サークル活動はやっちぇないし、入っちぇもいないにょ」との事。大学生活の醍醐味と言えばサークルに入ってスーパーフリーに羽目を外すかバイトで稼いだ金で中古のプレステソフト買って昼夜遊び倒すかの2つしかないが、その1つがレギュレーション落ちしたとなればさぞかし味気ないだろう。まあこの状況も終息に向かっている(と思いたい)し、卒論まで同学年と一度も顔を合わせないなんてことにはならないだろう。 卒論。ああ懐かしき卒論よ。おれは卒論発表会で「なめくじの食材活用の現在と展望について」というテーマで洋皿に丸々太ったなめくじを乗せ「このまま背をナイフで切っていけば、オムライスの要領で」と実演し始めたところで叩き出されたが、それでも不思議と卒業できていた。がんばれ、大学生! がんばれ、ローション相撲!

 


 

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 「ウルトラマントリガー」第1話見る。主人公は植物を育てるのが趣味の超文化系で口癖が「スマイルスマイル!」だったりするのでが非常に頼りないが、1話目からいかにも~な謎要素が詰め込まれており、連続ドラマ性が強い構成らしく、なかなか先が気になる作りである。「ウルトラマンティガが蘇る!」みたいな触れ込みのわりには出てくる怪獣がナース、ギマイラ、メトロン星人と「ティガ」関係なさ過ぎるせいであまり過剰な期待はしていなかったのだが、まあこの辺りは今後の展開しだいだろう。

 しかしまあ第1話、上坂すみれ演じる悪の女ウルトラマンがいちばん目立っていた。ヤンデレの元カノ(たぶん)にムチでひっぱたかれたあげく、文字通りドロドロの泥レスで転げまわることになったトリガー君、初戦のインパクトはバッチリと言ったところだろうか。

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 上坂すみれは本人のイメージと裏腹に意外とエキセントリックなキャラ演じるのは珍しいな、と思ったが最近なんか似たようなの見たわ。スキルに束縛と独占力持ってない?

 

【日記】ガラスの幸福/「モータルコンバット」

 「くっ、殺せ…! 貴様らのような外道に弄ばれるくらいなら、誇り高き死を選ぶわ!」 共同農場のスイカやパクチーを勝手にむさぼり食っているところを見つかり、村人数人にボコボコされながらも誇りは失わない全裸中年男性。まきざっぽでブン殴られ、地面に押さえつけられながらも屁で反撃するなど孤軍奮闘したが命運尽き果てる。水を飲ませようとすると「感度3000倍になりゅううううぅぅ!!」と叫んで大騒ぎするので縄でグルグル巻きにしてそのまま川に放り込まれたという。


 「で、あなたが川を流れていた全裸中年男性を助けてあげたってわけね」
 「ああ。しかし不思議なものだな。お前の顔を見ていると、あの時の全裸中年男性が頭をよぎることが何度もあったんだ。たまに思うんだよ。お前はあの時の全裸中年男性が、恩返しに来た姿じゃないかって」
 裁縫の手を止め、振り返る妻の目は涙に濡れていた。

 


 

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 映画「モータルコンバット」観に行く。おれより先に奥さんが観に行っていたので「ネタバレすんなよ!」とか言っていたのだが、その心配は不要だった。ネタバレするほどのシナリオではないので…。脚本の偏差値の低さは「ゴジラvsコング」以上だろう。タイマンバトルの連続だけで話が進む原作(格ゲー)を忠実に再現しすぎた内容で、そもそもタイトルの「モータルコンバット」という人間界vs魔界の格闘大会は最後まで行われない。「モータルコンバットに出場する選手を大会の前に殺すヨ!」という魔界側の暴走に対して浅野忠信が「やめようネ!」つってたら死んだはずの真田広之が甦ったりしてかっこいいバトルを繰り広げる。それだけである。それだけで十分だ。個人的な好みを言えば、生身と生身のぶつかり合いバトルを存分に観られたぶん、ゴジコンより好印象であった。

 原作ゲームは日本では不自然なくらいに展開がないが、本作の公開後なら「ボクもスコーピオンやケイノーを使いた~~い!」「名前忘れたけどサイコマンみたいな人の帽子かっこいい~~!」等の熱心な観客の声に推されて新作のローカライズが進んだりするのではないか。しないと思うけどしてほしい。しろ。

【日記】クロロホルム探偵登場/『にこにこエガ夫』植田まさし

 ビックリマンチョコの新製品「中年男性マン」のラインナップに不肖、私めが選ばれたとの知らせ。似顔絵用の写真撮影と、簡単な手続きを行うため特設会場に来てほしいとの旨。なんと光栄なことか。
 東中野の会場は自分以外にも多くの中年男性が集まっており、知らん連中ばかりであったが身の引き締まる思い。事前調査として「天使お守り悪魔次代ヘッド、どれになりたいか」「横に書かれてる変な唸り声みたいなやつの希望はあるか」などのアンケートに回答。さらにオプションプランとして「シールが二重になるラーメンばあ方式(タイムスリップバトル方式ともいう)」、「手のひらで温めたり冷蔵庫で冷やすと別の絵が浮き出るあっぱれ大将軍方式」、「絵のセンスが終わっているドキドキ学園方式」などを別料金で選ぶことができたが、今回は遠慮させてもらった。
 無事に写真撮影を終え、手続き料の180万円を振り込んだのが去年の2月ごろ。あれから音沙汰がないので広報に電話してみるも、そんな企画は一切行われていないとのこと。あわててメールを読み返すも、差出人をよく見ると「ロッチ」の文字が…。

 


 

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 kindle unlimitedで植田まさし『にこにこエガ夫』読む。先日セールでまとめ買いした『かりあげクン』を一気読みしたところずいぶん頭がおかしくなった自覚があり、続けて『フリテンくん』も全巻読んだが、これもこれでかなりの異常作品で、すっかり植田まさしの毒にやられてしまった。続けて手にとったのが読み放題サービス対象だった本作だが「作家のご主人さまとその飼い犬「エガ夫」、周囲の動物たちとののんびりライフ」という、あまりにもほのぼのとした作風にかえってドギモを抜かれてしまった。にっこり、うっかり、みんなでワハハという健全4コマで、毒気のなさは『コボちゃん』以上である。いや、おれがダーク植田しか読んでないからそう思うのであって、『かりあげ』『フリテン』以外はだいたいこんな作風である可能性もある。本作がつまらないかと言われればそんなことはなく、キャラの個性付け、立ち具合などはかなりしっかりしているし、動物たちが主体のネタもわりと新鮮である。犬のほかに猫や馬、牛などはともかく、やたら吸血鬼が出てくるのはなんなんだと思ったが…。植田先生の中に吸血鬼ネタのストックが溜まっており、他のサラリーマン4コマでは使う機会がなかったというわけだろうか。

【日記】Fantasyは突然に!?/『その他くん』つのだじろう

 堀井さんからFAXで『ドラクエ12』新キャラのラフ案が届く。人だかモンスターだかわからないほどの殴り書きなうえ、ところどころ「怨」「呪」などの字が見え隠れするので途方に暮れる。とりあえず主人公は黒髪のボイン、魔王は金髪のボインで描き、仲間の武闘家に緑肌のボインも添えて完成。腹いせに薄墨で黒ベタ部分にチンポと落書きしてFAXを返信。この時はまさか、番号違いで宮内庁に届くとは夢にも…。

 


 

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 セール時に買っていた『その他くん』大合本。つのだじろう先生版『まんが道』というか『ハムサラダくん』というか、漫画家を目指す少年が実在の巨匠たちに迷惑を掛けつつ、自らのまんがロードを歩み始める物語である。

 いわゆる「漫画家漫画」の中で本作が異彩を放っている点は、主人公のその他くんが性格がとにかく性格の悪いクソガキな点にある。自分本位なうえに理由のない自信に満ちており、ナチュラルに他人を見下しているのでアドバイスにも素直に耳を傾けないことが多い。

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 少年チンポて

 ただこのクソガキっぷりは実にリアルでもあり、まんが道の2人とかのほうが優等生過ぎるような気もする。その他くんの危うさは漫画家志望という立場の危うさとイコールにも見えてくる。先が読めないスリリングな展開の連続で飽きさせず、つのだ先生の漫画哲学もじゅうぶんに摂取できる傑作だと思う。

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 矢口高雄先生に失禁を強要するその他くん

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貧困の末に一線を越えかけるその他くん

【日記】時計が止まった街/『ねこぢる大全』ねこぢる

 商店街組合の定例会。7月の「屋台まつり」も中止の方向で話が進む。最近、店を構えたばかりの変な名前の食パン専門店の隣にマリトッツォ専門店が入ると聞き、嘆息。確かその隣は韓国風チーズドッグ専門店、またその隣はタピオカドリンク専門店、さらにその隣には白いたいやき専門店、パンナコッタ専門店、ティラミス専門店、原宿ドッグ専門店、各種タレントショップ(加藤茶、山田邦子、田代まさし等)がずらりと並ぶ。どの店舗もまだ現役で、連日行列が並ぶというからたいしたものだ。閑古鳥が鳴いているのは、うちのなめくじ割烹くらいだろうか…。

 


 

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 kindle unlimitedで『ねこぢる大全』読む。かわいい絵柄で描かれる残酷冷徹でシュールな世界は痛快であると同時に、こうも連続で読むとあっという間に「慣れ」を感じてしまうのもまた事実。作者自身の視点や思考プロセスをナマで感じられる、『ぢるぢる旅行記』のようなエッセイ作品がいいアクセントになっている(インド編ではだいたいラリってて素敵)。陳腐な言い回しだが、作者の生きざますべても含めて「ねこぢる」という1つのコンテンツ(この言い方も失礼ですね)なのだなと感じた。

 

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 限界な人々の描き方がホント上手い