漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

【日記】バディゴー!/『寺沢大介セレクション』

 おれは仕事柄「持ち込む側、プレゼンする側」であることが多いが、たまにプレゼンされる側に回ることもある。

 今回、見知らぬ若造(とは言え30過ぎ)に渡されたパワポ資料の表紙には「令和の梁山泊⁉︎ ネットライターのトキワ荘」などと書かれており、絶句した。隣席の上司も見た瞬間「今!?」と口に出していたが、それに対するアンサーは無し。この時点で「ええ、あえて今なんです」くらい言ってもらえれば多少は安心できたのだが。

 あとは若造が何やら景気のいい数字を並べたてていたが、メモする振りをして遊戯王のデッキ構成などを考えていたのでよく覚えていない。我々は出資する必要はない、と言われたので「じゃあそもそもの最初の資金はどうするの」と聞いたら「クラウドファンディングです!」と元気な答えが返ってきたので卒倒。「何かまずいところがあったら言ってください!」とも言われたが、何がまずいとかじゃないんだよ。何がまずいって、そりゃ全方位にまんべんなく――

 

 ――「何がまずい? 言ってみろ」あまりの恐怖に平伏し身動きできぬ我々に、もはや人ならざる姿と化した上司が冷たく言い放つ。異様な質量のかいなが振り下ろされ、おれの隣にいた同僚を肉片に変える。畳の目にどす黒い血が流れ込む様をぼんやり見つつ、おれは何故かあの日の若造の事を思い出していた。

 


 

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 セールで買った『寺沢大介セレクション』読む。1~6巻までに『喰いタン』全巻分、あとは6~9巻に人相悪いグルメ漫画『喰わせモン!』、妖怪ブームに乗り遅れたバトルアクション『WARASHI!』、美術品修繕+化石発掘の意外なほど見事な合わせ技『修理もん研究室』、スポーツ系メンタルドクターというニッチ過ぎる題材『ドクターメシア』が収録されている。半分以上『喰いタン』なんだからそれで別に合本作ればよかったじゃねーか、と思わなくもないが、なかなかレアな作品も読めて満足した。打ち切りっぽい作品も多いが、寺沢先生はどんな話であろうとちゃんと足に地を付けた形で完結させてくれるので、そこは安心して読むことができる。『修理もん研究室』は珍しい題材とそれをきっちり活かすストーリーテラーとしての手腕、作中で披露される知識の面白さ(綿密な取材が行われたことがよくわかる)等もふくめ拾い物でありました。『喰いタン』も普通にオモロいので良いです。