漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

悪魔と天使の間に..../『スーパー刑事』鍋島雅治、渡辺みちお

 「貧困自殺問題をセクシーに!」の一言が大顰蹙を買い、道を歩けばセクシー、口を開けばセクシーと揶揄される日々に疲れ果てた。そもそも、おれはアガリ症なんだ。しゃべっている最中に相手の反応が悪いと分かると「なんとか挽回しなきゃ」と無駄な力が入ってしまい、ますますトンチンカンなセリフを吐いてしまう。ちくしょう! 隣にクリス、クリスさえいてくれれば…。クリスだけがおれを力づけてくれるんだ…。などとブツブツ呟きつつ中華食堂一番館で飲みつぶれている若造がいたので声をかけようか迷ったが、ほどなくして現れたクリス松村さんが彼の背に優しくコートをかけ、2人は夜の歌舞伎町へと出て行った。

 


 

f:id:jackallsasaki:20190926235954j:plain

 『スーパー刑事』(別冊漫画ゴラク掲載)読む。スーパー刑事…検索の利便性などという些細なことを一切考えていない、非常に男らしいタイトルだ。主人公は機動捜査隊、通称「機捜」のナンバー20、“機捜の仁王”として恐れられるコワモテの男。悪を成敗するためなら何事にも容赦はしない正義感の持ち主で、もちろんメチャクチャに強く、当然女にもモテるという、「ゴラクだなあ」という感想しか出てこないスーパー刑事なのであります。

f:id:jackallsasaki:20190927001505p:plain

女はとりあえず抱くのが仁王STYRE

 

 ストーリーは…なんだろ? そこそこ人死にが出たり、人情話があったり、国際的ななんかの陰謀に巻き込まれたりといろいろやってはいるのだが、特に心に残るものが無い。決して出来が悪くはないのだが、すべてが最大公約数みたいな感じでどうにもインパクトが薄い。おれがさっきまで『ドーベルマン刑事』を一気読みしていたせいもあるかもしれないが…。あ、仁王の趣味は「事件解決後に一句詠む」ことらしく、各話の最後のコマは仁王の句で締められているというのが個性的と言えば個性的ですね。その句が特にうまくないのでこれまた印象は薄いのだが…。

f:id:jackallsasaki:20190927002311p:plain

うまくはない