漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

ザッパのなやみ/『フレディvsジェイソン』

 秋アニメが盛り上がる一方で、秋アミゲはあまり話題になっていないように見える。寒さが身に染みるこの季節、体毛を網目状に紡いで空気層を作り体温を保つ奇習「アミゲ」がエコロジーの観点から観ても再評価すべきである、という研究結果がマサチューセッツ工科大学から出されればいいなあ、と私は思っています。
 今年はぜんぜんアニメを見ていなかったのだが、秋は『ジョジョの奇妙な冒険』『ゴブリンスレイヤー』『SSSS.GRIDMAN』といろいろ気になる作品があって、今のところどれも楽しく見ている。『ジョジョ』は濃ゆい顔の人たちがさわやかな声でしゃべっている時点で面白い。なんでそんなに睫毛パッチリなのにさわやかなんだよ。面白い。

 


 

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 おれは『エルム街の悪夢』シリーズを1回も観たことがなく、フレディ・クルーガーの人となりについては『Dead by Daylight』で得た知識くらいしかない。これは『スパロボ』の知識だけでダンクーガを語るようなもので大変恥ずかしいのではないか? とふと思ったので『フレディvsジェイソン』を観てみることにした。

  フレディは恐怖を糧にして存在している夢魔であり、彼を怖がってくれる人がいないと消滅してしまう。それを知ったエルム街の大人たちは、「事件についての記述をすべてなかったことにする」「フレディを目撃した人間はみんな精神病院送りにする」ことでフレディを亡き者にしようとしていた。これにブチ切れたフレディは伝説の殺人鬼・ジェイソンを蘇らせてバカガキどもをブッ殺し、若者らに恐怖を植え付けることでフレディ伝説復活さを企む。が、「相手を夢の世界に引きずり込んでから殺害する」という面倒くさい手順を踏まないといけないフレディと違い、ジェイソンは生身でバンバン殺していくため、フレディの狙っていた獲物も横取りされてしまう。ブチ切れたフレディ! ここに殺人鬼vs殺人鬼の激烈バトルが幕を開けたのであった…!

 『エイリアンvsプレデター』『貞子vs伽椰子』など、どっちが勝っても人類が得しない対決物の嚆矢といえる1作。コイツらが大暴れする時点でお祭りワッショイ感が出てしまうため、ホラーとは程遠い作風になっております。ジェイソンが堂々と人前に出過ぎで、お前そんなキャラちゃうやろという。ただ、圧倒的フィジカルを持つジェイソン、メンタル面からそれを崩そうとするフレディの文字通り血まみれの対決はうまく両者の顔を立てられていたんじゃないでしょうか。ハッパでも吸いながら見る分にはちょうどいい1作。