何もすることがない休日。起床後にひとしきりオリジナルの踊りなどを踊ってから吉祥寺へ行き、四十肩に効く独活葛根湯などを買う。かき氷がうまいことで評判のたい焼き屋があると聞き、駅から10分くらい歩いて着いてみたら3時間待ちだったので帰った。店員が申し訳なさそうだったので「まだ5月だというのにスゴい“熱気”ぶりですネ!」と言ったが伝わっていないようだった(フィクションです)。
しょうがないのでレトロな喫茶店で休憩、アイリッシュコーヒーを注文。グラスにウイスキーを多少入れてから点火、アルコールを飛ばしたあとザラメを入れ、コーヒーを注いでホイップクリームを乗せたもの。コーヒーとウイスキーの芳香がお互いを邪魔しておらず、スッキリした甘さと冷たいクリームのハーモニーがすごいハーモニーでよかった。週2くらいで飲みたい。奥さんによればアイリッシュコーヒーは『銀河英雄伝説』の主人公、ヤン提督の好物とのこと。酒が飲めない仕事中に愛飲しているのだと聞き、へえと感心したが、そもそも銀英伝の主人公がヤン提督と言うこと自体を初めて知った(名前は知っていたが)。家に帰ってから調べてみたら、ヤンの好物はアイリッシュコーヒーではなくアイリッシュシチューだったし、仕事中に飲んでいるのはウイスキー入りのコーヒーではなくブランデー入りの紅茶らしかった。全部違うので逆に感心しました。
アマプラで『マングラー』観る(ネトフリでも視聴できるらしい)。監督は『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパー、原作はスティーブン・キング『人間圧搾機』。洗濯屋のシーツプレス機に悪魔が憑依、人肉の味を覚えてガンガン人を襲いまくるというバカな短篇を頑張って110分に。原作ではプレス機にたまたま処女の血(ケガしたバイト)、ベラドンナ(胃薬)、あと小動物なんかが生贄の役割を果たして悪魔が降臨した、みたいな話だった気がするが、映画版では「街を権力で牛耳ろうとする闇の血族」みたいなのが出てきたし、そうはいっても洗濯屋の社長なのであんまり威厳が無いのであった。主要人物も倍くらいに増えているが、プレス機とぜんぜん関係ないところで病気になって死んだカメラマンのエピソードは完全に要らなかったと思います。
人間がプレス機に巻き込まれて蛸せんべいみたいになっていくシーンは確かに怖いんですが、しょせんは土台にガッチリ固定された機械なので主人公らも「近づかなきゃいいじゃん」と盲点に気づき、クライマックスでは離れた場所から聖水や十字架を延々ブン投げるという魔界村や悪魔城ドラキュラみたいな緊迫シーンが描かれます。そこから二転三転あって映画オリジナルのエンディングを迎えるわけなんですが、心底パルプなストーリー展開にグロと笑いと寂寥感がイイ感じにせめぎ合っていて、キング原作というものを見事に映像化した傑作だと思いましたよ。いやホントに。