漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

黒バイ部隊出動す!/『漫画家残酷物語』永島慎二

 総理にクソリプを送った罪で(「草々の草ァ!!」とか言ってた)台風を鎮めるため禊となることを課されたジャッカル佐崎さんは、両手両足を拘束されギャグボールをかまされた状態で沖縄へと送られた。「みてみて 沖縄の海よ きれ~い!」「まさに限りなく透明に近いブルーだ」ごきげん状態で南国の地へ降り立った刑事とジャッカル佐崎さんの前に、重機関銃を構えたヤクザが姿を現した!「めんそ~れ!!(ようこそ いらっしゃい)」

 それはそれとして地元のヤクザはやはり方言で出迎えてほしいものですね。富山県のヤクザが「まいどはや」とか微妙に間違った方言でおのぼりさんをデデレコデンとチューリップで迎撃する様をぜひ見てみたいものです。

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 新婚のアレで沖縄に行ったのが1年前という事実に気づき、もう1年も経ったのかという微衝撃。毎年行きてぇ…タコスミート食いてぇ…。タコスはすごい。ドリトスもすごい。ドリトスを食おう。

 


 

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  Kindle unlimited『漫画家残酷物語』読む。その名の通り、漫画家として、クリエイターとして生きようとする若人を襲う非常な現実、挫折、少しの希望について赤裸々に語るオムニバス。この「希望」を描いている点がある意味、非常な残酷でもある。

 本作を読んでいる間、どうしても唐沢なをき氏の秀逸なパロディにして本質を付いたゲボゲロ傑作『漫画家超残酷物語』を思い出さずにはいられない…というか、おれが先に触れたのはコッチなので思い出されるのも当然。なのだが、下世話と下ネタに満ちた唐沢氏の翻案を経て、本家『漫画家残酷物語』はとても美しい青春を描いているように見えたし、下世話な道化に徹することで本家を引き立てんとした唐沢氏の少々歪んだ愛情も余計に感じられてしまった。漫画家志望もそうでない人も今すぐ両方読め、としか言えないのであります。個人的にはクソアシスタントに原稿を破られた話が好きです。