漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

サラリーマンの勲章/『右向け右!』沼よしのぶ

 社内でのダルい会議…。さすがにスマホをいじる等の度胸はなく、なんとか上司にバレないよう退屈をまぎらわす方法を模索していたジャッカル佐崎さんでしたが、その時間を利用して会議中に堂々と暇を潰せる画期的アイテム「オナールペン“静香”」の特許を出願、大ヒットを飛ばし「今の私があるのもクソだるい会議のおかげです」とニッコリ。佐崎さんを倣わんと日本企業の会議のつまらなさはエスカレートしていき、皆はますます会議中の暇潰しに精を出すようになり生産性は瀑布のごとく落ち込んだ…という妄想を会議中に思い浮かべていた、という妄想を無職時代によくしていましたものです。という妄想をサボテンなどの植物もするとの研究報告がこちらになります。

 


 

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 沼よしのぶ先生の不良コメディー『右向け右!』読了。『ツッパリ刑事彦』のような初期作品に比べると、いかにも週刊チャンピオン連載らしい題材と画風になっている。
 私立すみれ学院高校の伝統ある集団、「すみれ爆風隊」の隊長に任命された財津音次郎。ケンカも強く人望もある音次郎だったが、彼は女性に近づくと白髪になってしまうという特異体質であった! だが特にその体質は話に大きく絡むことはなく、クールな剣道家の九鬼、ヤンキーそのものの南雲、柔道の達人でゴリラ顔の金剛、気弱なメガネ君の堺、4人の仲間たちと共に学園生活をなんかいろいろエンジョイするのであった。

 この「すみれ爆風隊」なる組織が具体的にどういうものなのか、ちゃんと説明されておらずよくわからない。隊長は校長自ら任命するらしいので学校に認定されたものであるのは確かで、応援団と風紀委員を兼ねたようなモノだと思うが、具体的になにか学校行事などで活動している描写はない。道楽にしか見えんのだけど、まあ生徒の人気はあるようだ。

 ケンカ描写はあれど、それはあくまで生徒間のトラブルを解決する手段であって、『魁! 男塾』のような展開にはならない…と思っていたら、7巻で構成員5万人の巨大組織「阿修羅」が出現。四天王だのそいつら直属の幹部だの「必殺・無限円陣殺」だのが出てくるバトル漫画と化す。ただ、正直なところこの辺りの展開はまったく面白くない。沼よしのぶ先生はスポーツ対決やそれにまつわるドラマ・心理戦は相当に読ませてくれるのだが、格闘バトルは不得手のようだ。阿修羅編は四天王が半分残ってる時点でとりあえず解決したことにされ、以降はまた不良日常マンガになりました。7~8巻以外は安定して面白く気楽に読める。