系列会社が一同になって新人歓迎会を開くらしく、最新ギャグの「そだねー」を引っ提げて宴会部長の座を狙うジャッカル佐崎さん(酒の席でポコチンを出し、「粗だねー」と蔑まれるうちに体積が増していく手品)。だが「一軒め酒場」程度を予想していた会場は結婚披露宴会場もかくやの広さと小ぎれいさで、テーブルの上にはカサブランカなどが活けられている始末。しかもゲストとしてピアニストが呼ばれるという。すっかり混乱したジャッカル佐崎さんは「サングリアの中キンミヤで」の小粋なジョークがスタッフに通じなかったのをきっかけに嗚咽し始め、「これからがうんこだから」とよくわからない捨て台詞を残して会場を脱走。なんだったんだあの的な文脈で新人らの間で噂になったが、休み明けは何事も無かったかのように出社していたと聞きます。
どおくまん『嗚呼! 花の応援団』全巻読みとおしたが、まあ一言で言えばメチャクチャに面白かった。なギャグ、アクションとバイオレンス、青春の悩み、それを笑いと飛ばす過激なネタ、侠気と狂気、おれが「漫画に含まれていると嬉しい」と思うポイントがほぼ全部含まれていた。生涯ベスト級。「目ン玉と舌がグルグル飛び出る漫画」くらいの印象しかなかった自分が生まれる前のギャグ漫画がこんなに面白いとは…。
四回生は神で一回生は奴隷、上下関係厳しい大学の応援団。イビられ続ける下級生と、理不尽にやりたい放題の幹部生、そして幹部以上にメチャクチャな親衛隊隊長・青田赤道。こいつらがケンカしたり酒を飲んだり女を追いかけたり金儲けを企んだりと大騒ぎし、時にはしんみりする話を挟みつつも、基本的にはウンコを振り回したりチンチンを放り出したりして(主に青田)、OBの剛田先輩が「だ、団の面目まるつぶれ…」とアワを吹いて気絶して終わります。終盤の剛田先輩は青田がやらかしそうになるとアイマスクとヘッドホンを付け、「今、団の面目がまるつぶれになっているような気がする」とスルーするスキルも付けていたりして良いです。
基本1話読み切りで、最終回も懐かしのキャラが出てくること以外はいつもと同じ雰囲気で終わる日常系。あまりにも下劣にて低俗、欠点だらけの漫画ではあるが、永遠に読んでいられそうな心地よさに満ちている。北杜夫の『どくとるマンボウ青春記』もそうだがこういう男だらけのムサ学校生活、原初的な懐かしさがありますね。自分がまったく体験していないにも関わらず。