漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

サバトの幕開け/『真夜中のラヴ・レター』つのだじろう

 新宿とらのあなを出たところで何者かに拉致され、行方知らずとなったジャッカル佐崎さん。あのような人通りの多い場所で犯行に及ぶとは大胆不敵、犯人は悪魔の如き頭脳の持ち主に違いあるまい。交渉役として指名された坂上忍さんは生放送中のM字開脚を要求されるも、別に佐崎さんとの接点もなくそんなものを守る義理もないので通常通りバイキングは放映され、佐崎さんの一部が入った番組宛てのプレゼント箱も開けられることなくその辺に追いやられたという。それはそれとして坂上忍は「普通の犬好きおじさん」にキャラ転換してダウンタウンのヨイショ等をしているほうが本人も視聴者も幸せになると思います。以上です。

 


 

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 つのだじろう『真夜中のラヴ・レター』読む。読者からの心霊関係のお悩み相談を、つのだ先生と霊能力者が解決! という投稿実録モノ。すっきり解決しないことも多いのがリアルっちゃあリアルだが、劇中で描かれる悪霊vs霊能力者のオカルト対決はリアルさのカケラもなく、どういう顔をして読んだらいいのかよくわからない。

 つのだ先生は「インチキ霊現象、インチキ霊能者に騙されないように」と読者を諭してくれるが、インチキとそうでないものの境目が個人的にはさっぱりわからない。心霊写真がテーマの回では、つのだ先生は「顔のようなものが写っていますが、こんなものはただの木陰です。すべての心霊写真に霊がいるわけではない!」と至極まっとうな事をおっしゃっている。で、「これが私が手に入れた本物の心霊写真です!」と自信あり気に写真を見せてくれるのだが、どれもこれも木陰か何かにしか見えない。ただ、つのだ先生の「オカルト話をすべて信じるな」という姿勢は大変立派なものである。「霊をむやみに怖がるな」というのは、人間・動物・器物を問わず、あらゆる霊への理解を深めたうえで敬意をもって接しましょうということであり、読者の「オカルト=恐怖」という認識を正す教えでもある。