漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

【日記】牛乳運んでピポピポピ/『ぼくらの時代』コンタロウ

 いやぁホイップクリームメロンパンは美味いですなッ! ストレスフルなワーキングによるタイアードなマインドをケアしてくれるのはホイップクリームメロンパンしかありませんなあ。などと年末年始やってたら腹肉が急成長の兆しを見せたので『リングフィットアドベンチャー』を始めた。『Fit Boxing』はしばらくお休みして、まずは筋肉をつけるとこから始める。筋肉ついたらゆくゆくは毎日70分くらい運動してガリガリになる未来予想図です。ただ今は70分あったら『龍が如く7』をプレイしていたいので無理です。『龍が如く7』は相当に面白い。熱中度で言えばホイップクリームメロンパンに勝るとも劣らない。それでいてカロリーはほぼゼロなので、労働中も手軽に龍が如く7を摂取できるのがダイエット的にはいちばんいい。

 


 

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 コンタロウ先生の青春ドラマ短編集『ぼくらの時代』をkindle unlimitedで読む。解説には「学校を舞台にして起きる様々な出来事が、当事者の視点で描かれる熱血学園コミック!」などとあるので、さわやか3組みたいな教育ドラマ的な内容なんだろうな~と思いつつ読んでいたらド肝を抜かれた。「熱血学園コミック」などという枠組みでは収まらないバラエティの広さである。友情の大切さを描いたイイ話、ギャグに吹っ切れた荒唐無稽な話もあるが、「いじめ」について真正面から取り組んだ話、非常に後味の悪い話、完全にSFに足突っ込んでる話etc…。「さわやか3組」かと思って観ていたら「世にも奇妙な物語」だった、くらいの驚きがある。本当にもう、マジで1巻だけでも! 1巻だけでも読んでみてつかあさい。ここまで説明してもなお、あなたの予想を絶対に裏切ってくれると保証してもいい。マジで。

【日記】肉食恐竜VS巨人族 インカ砦の死闘/『1、2のアッホ!!』コンタロウ

 地獄労働が一段落。肉でも食いたくなり、16時ごろ開店直後の焼肉屋へ行くと「満員です、すみません」と店員。ガラガラじゃないか! と文句を言うと驚愕の表情でこちらを見つめてきたので退散した。実際は“何か”で席が埋まっていたのかも知れぬ。
 しょうがないので歌舞伎町をぶらぶら歩き、近場の「やきとりセンター」に行くことにした。これもある意味で食肉センターだし。

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 黄色地に赤字の看板からはどうしても「ジェネリック鳥貴族」「パチ貴族」みたいな雰囲気があるが、これがどうして。品揃えはだいたいが180~480円くらい、どれもよくあるメニューに一工夫加えたモノばかり。メインの焼き鳥からして、塩とタレの他に「にんにく味噌だれ」を選べたりする。サイドメニューにある「大根の自家製鬼おろし」をたっぷり付ければワンステージ上のうまさ。備え付けの唐辛子も、店頭ではめったに見ないS&Bの黒煎り七味だったりして細かいこだわりを感じられる。あと冷たいのに食べやすくてうまい手羽先「夢のいいとこ鶏」、花椒がバカみたいに効いてる「しびれきゅうり」、あきれるくらいに臭みが無くて濃厚な「レバテキ」など、なんて言うんでしょうか。普通の居酒屋ならとりあえずで注文するものが全部うめぇっていうか。シメはタレがたっぷり染みた「丼めしセット」で決まり。焼き鳥チェーン店はいろいろ行ってきたつもりだが、味と値段のバランス的な満足度は相当なモンでした。あんまり気に入ったので後日友人らも連れて行ったが、どんなに飲み食いしても1人3000円程度で収まるのも良いです。

 


 

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 Kindleで『1、2のアッホ!!』(コンタロウ)が安かったのでまとめ買い。一度聞いたら忘れられないタイトルで存在だけは知っていた。さすがに自分が生まれる前のギャグ漫画はキッツいだろうなあ…と思っていたがこれがどうして、素直に楽しめた。時事ネタに加えてえげつない下ネタも時には挟まれるものの、不思議と下品な感じはしない。どんなに過激な内容でも一定の品の良さを保っているのは、小手先のテクニックによらない作者自身の人柄によるものかなあと。
 『キン肉マン』でおなじみ、アデランスの中野さんが準レギュラーとしてかなりの頻度で出てきたりもする。ジャンプのギャグ漫画で編集者がキャラとして出てくる例はかなりあると思うが、その元祖は誰なんだろうなあ。ちなみにコンタロウ先生の次作『ルーズ!ルーズ!!』は初期こそ『アッホ!!』のカントクがスターシステムで主役を張っていたが、中盤から編集部の奥脇氏(『奇面組』の色音好でもある人)がモデルの垂目くんが実質的な主人公になっていた。垂目は『いっしょけんめいハジメくん』にも出ていたし、息の長いキャラである。

【映画】ラム肉モツまみれの鮮血ウール/『ブラック・シープ』

 年末辺りから激ヤバだった労働が一段落つきまんた。一時期は頭を使いすぎたせいか他人との会話も「キシーーーーーーーーーーーー」「モペペ」の2語だけで済ませていた。
 おかげで生活パターンもすっかり変わってしまった。『Fit Boxing』もぜんぜんやれてないし! 買ってきた漫画を読むヒマすらねえし! そのわりにはユーツーブの東映特撮チャンネルは毎日のように見ており、特に『キカイダー01』の深いのか浅いのかさっぱりわからない人間ドラマ(というか人造人間ドラマ)にはかなりの感銘を受けた。昔の特撮番組は発見が多く、「情念がこもっていると同時にいい加減」というスタンスには脱帽する。あと『ウルトラマン』シリーズってなんだかんだで完成度の高さは段違いだよなとか。

 


 

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 ゲロ労働中、1日だけ休みを取れたので観に行った映画が『ブラック・シープ』。2006年のニュージーランド映画が紆余曲折(具体的に何があったか知らんが)を経てようやく日本公開。一言でいえば傑作であり、賞味期限切れかけの具材をOH!MYコンブばりに稚気交じりの工夫で極上ジンギスカンに仕立てている。

 遺伝子改造を受けたヒツジが人食いの怪物に変貌、ヒツジに噛まれると伝染しどんどん仲間を増やしていくという、夜になったら布団を敷いて寝るみたいな安心と定番のお約束展開ながらダレる部分が一切ないスピーディかつ濃厚な展開。アクの強い登場人物に安っぽさのない特撮、ツボを押さえた笑いとこの手の映画に必要とされるモノをすべて備えている。CGっぽさが無く特撮がかなり上出来なせいで、劇中で人食いヒツジを退治するシーンなどは本当にヒツジをボコっているようにしか見えない。…ボコってないよね?
 ヒツジに噛まれるとヒツジ人間になるという、昨今の動物パニックでは特に珍しくも無い展開にも一捻り加えられている。要はゾンビの亜種なのだが、なんせ元がフワフワモコモコのヒツジなのでそんなに怖くないというか、笑えるポイントになってしまっている。では家族でニコニコ見られるコメディ映画かと言われればそんなことはなく、エグいシーンはとことんにエグい。どの方面にも忖度しない「やってやれ」感を見るにつけ、『ブレインデッド』や『バッド・テイスト』を生み出したニュージーランド映画界はさすがのさすがだなと思うのでした。

冷凍怪人どぶねずみ作戦!/「限界しりとりmobile」

 「♬お~れ~はセックス~ セックスカウンセラ~ ずいきで作った性道具~」仕事納めという概念の無いまま年末年始を迎えひとり労働を続けるジャッカル佐崎さん、『仮面ライダーX』エンディングの下品な替え歌を誰もいない職場でがなり立てながら作業していたが寒さと孤独、従来の怠け癖のせいでとくに仕事ははかどらなかった。「♬鉄よ~り硬い~、女陰(ほと)より長い~」気持ちよく唄っているうちに気分も盛り上がり、スピーカー音量60%くらいでYoutubeを流していたところ(プレイリスト名:和製プログレ)知らん人がドアをバッと開いて顔を出し、こちらの顔を確認したと無言で引っ込んでいったので怖かったです。たぶん管理人か警備員。その後七不思議の1つ「戦慄! ひとりで人間椅子を聴く中年男性」として語り継がれることになったと聞きます。まあそんな感じで今年もがんばりましょう。

 


 

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 なかなか時間が取れず、クリスマスに買った『デスストランディング』もプレイできていない。スマホゲームの正月イベントを確認するので精一杯。そんな中、「限界しりとり」はちまちまプレイを続けております。

 要は文字数がランダムで設定される、時間制限付きのしりとりです。

 文字数というシンプルな制限1つで、ここまでしりとりがエキサイティングになるというのは目からウロコであった。濁音・半濁音はそのまま使わないといけないルールなので、「る」や「ぬ」よりも「ず」とか「ぐ」で回されるほうがキツかったりする。「ず」で始まる7文字の言葉とか、意外に出てこないもんです。ランクマッチはSランク以上になると普通に修羅ってくるので知り合いとフレンド対戦でぬるく遊ぶのがオススメ。

 

不滅合体走る首/『将太の寿司2 World Stage』

 12月はクソヤバい速度で進んでいる気がする~! 何も終わってないのに時間だけが過ぎていくのでゲロ吐きそう~! その一方で「ヤレヤレ、今年もいろいろあったな~」と思い返しつつゲロを吐いております。びっくりニュース満載でしたねぇ2019年。ゴーンが変装したり、ゴーンの変装が簡単に見破られたり、ゴーンの変装を支持した弁護人が名前を出したり、「すぐばれる変装をあえて行った余裕綽々なゴーンの態度」とゴーンが持ち上げられたり…。ゴーンに始まりゴーンに終わった令和元年と言っても過言では無いですね。ゴーン以外ではなんだっけ。あれか。ラッスンゴレライが流行りましたね。あとは特に無いかな。よいお年を! 全員死ね!

 


 

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 『将太の寿司』が読み放題のKindle Unlimited、当然ながら『将太の寿司2 World Stage』も読み放題である(『ミスター味っ子2』は頑なに読み放題にならない)。この『将太2』はいわゆる2世モノ。主人公は当然、関口将太の息子である将太朗…はサブの位置にとどまり、実質的な主人公は佐治安人の息子である佐治将太である。なんで同じ名前付けたの? ヤバくね? あと奥万倉くんの息子、木下藤吉の息子、マグロ哲の息子、紺屋碧悟の息子(なんで?)なんかも登場する。
 個人的には『将太の寿司2』、前作よりも相当に面白く感じた。「世界のSUSHIが日本の寿司に殴り込みをかけてきた!」という舞台設定には面食らうが、そのおかげで寿司の利点と難点がはっきりと浮かんできたのは確かであるし、めんどくせ~泣き芸が鳴りを潜めた一方で「軽いギャグ」と「アクの強い登場人物」が絶妙なマリアージュを奏でている。特に『将太』前作ではまったく出番がなかった女性陣は出番も多く魅力的だ。息子を自分と同じ漁師に育てた結果、早死にさせてしまった意気消沈している名漁師に、うまい寿司を作って自信を取り戻してもらおうぜ! というエピソードでは「君たちの誠意は伝わった! だが、寿司はうまいとは思わん」という身もフタもないセリフを当の漁師に言わせたりしているのも個人的には好きだったりする。
 寿司漫画を描き続けてきた作者だからこそ描ける、寿司への苦言、そして未来への展望。それらをイヤミなく、エンターテインメントの文脈で描いた傑作である。

怪奇蜘蛛男/『将太の寿司』

 日曜は惰眠をむさぼることに決めているので、いわゆるニチアサ枠には縁のない生活を20年くらい続けてきたが、『仮面ライダー01』は録画してちゃんと毎回観ている。「2クールで終わらすの?」みたいな感覚に陥ってしまう詰め込みぶり、脳天気の皮を被ったシビア過ぎるロボット生死観など、令和という時代の幕開けにふさわしいデタラメな娯楽野心作だと思います。

 で、ゼロワンつながりなのか「東映特撮YouTube Official」でキカイダー01を毎週放映しているのだが、これがまた一言で言えば「キチガイ」としか形容できない大傑作であった。ついでに『仮面ライダーX』『特捜ロボジャンパーソン』もこちらの東映オフィシャルで観ているのだが、意図しているのかいないのかさっぱりわからない爆笑シーンの充実っぷり、そして男女問わずフェロモン垂れ流しまくりの役者陣の熱演っぷり、連携を取るつもりがいっさい見られない脚本家たちのおらがおらがテイスト狂演っぷりにすっかりやられてしまった。この3作が濃ゆ過ぎるため『光戦隊マスクマン』『仮面ライダーアマゾン』等は観られずにいる(トンチキ摂取が致死量オーバーするので)。

 昭和50年代生まれの身で「怪獣図鑑でしか見たことがなかった」往年の特撮ヒーロー番組を実際に視聴してみると、想像以上にトンチキかついい加減であり、想像以上に熱いことに気づかされる。世の中の創作物、「本気」より強いものは無い。

 


 

 ようやくKindle Unlimitedでも『将太の寿司』が読み放題になったので一気に読んでしまった。

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 作者である寺沢大介先生のヒット作『ミスター味っ子』は類稀なるバランス感覚で、ジャリグルメコミック&アニメの金字塔たるべき地位にまで登りつめたが、もう1つの代表作である『将太の寿司』、これがまたなかなかにヤバい。
 作中で披露される寿司自体はなかなかに美味そうである。将太のライバル、同僚、先輩といった周囲の人々についてのドラマもしっかり描かれており、長期連載にありがちな「捨てキャラ」が存在しない(笹寿司四包丁の女除く)。その一方で、いくらなんでもやり過ぎな笹寿司の妨害、途中から明らかに悪ふざけが入ってくる審査員の顔芸、話の都合上エビのタマゴやメレンゲを知らないことにされる寿司職人、あと「泣き」に特化しすぎたために寿司の味と直接関係なくなった過去エピソードといった難点もチラホラ見えてくる。見えてくるが「まあ、それもアリだな!」という謎の高揚感ですべてを納得させられてしまう。なんたることか。もはや寿司の暴力。バイオレンスオブフレッシュフィッシュである。ガタガタ言わずに全巻読んでくれ! エンターテインメントのみで構成されたうまみ調味料のごとき濃味に、いらん雑味がピリリと効いて最強に見える。しかしコイツら本当によく号泣するよな。「皆さんが号泣することを見越して、あえてシャリを薄味をしておきました!」「なんと! 涙と鼻水だけで絶妙な塩気が効いている!」柏手パアン

先生たちが変だ!学校は怪奇がいっぱい/『テリファイド』

 「韮」の字が嫌いだ。

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 いや、嫌いってほどでもないが、初見ではスルーしがちだけどよくよく見ると「お前それでいいんか」と一言物申したくなる違和感は凄い字だと思う。たぶん地面からニラが生えているワシャワシャ感を表したんだろうなということはわかる。わかるけど、横棒多すぎない? 地面からピンとそそり立つ様を2本の縦棒で表現し、密集している様を多数の横棒で表現。地面そのものはいちばん下の長い横棒で。草冠の形状自体もワシャワシャ感に一役買っている。理屈の上では完璧なデザインだ。完璧だが、それはそれとしても「横棒多すぎない?」という疑念が消えることはない。肛門に入れたくない形状の漢字トップ20位には入ると思う。(以上です)

 

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 ホラー映画『テリファイド』、ネトフリで観る。

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 ブエノスアイレスにある住宅街の一角で、奇妙かつ暴力的なポルターガイスト現象が起きていた。壁にガンガン顔面をぶち当てられたり、全裸の中年男性がベッドの隙間から這い出して来たり、子供の死体が歩き出したり…。こりゃ一般人の手には負えねえと感じた警官のアンちゃんと監察医のジイちゃんは、超常現象研究を専門とするバアちゃんとその助手のオッちゃんを引き連れ、もはや幽霊屋敷と化した家で一夜を過ごすことにしたのだが…。

 と、いう最低限のあらすじを頭に叩き込んでおかないと、なにがなにやらよくわからなくなる難解な映画。視点と時系列が頻繁に変わるうえ、セリフもちゃんと聞いておかないと「あ、あいつら付き合ってたんだ?」とか「さっきの人まだ生きてたんだ?」とか、わりと根本的な人間関係のつながりすら把握できなくなる。
 怖いか怖くないかで言えば、まあバチクソに怖い。ただ、前述のわかりにくい部分に関しては観客をケムに撒くため等の理由で意図した演出ではなく、詰め込み過ぎによる説明不足から来たものなんやなあ…というのがだいたい察せられる(話自体は怨霊ものに見せかけた「異世界からの侵略」テーマである)。この微妙な難解さを作品の味と取るかノイズと取るかで評価が分かれそうだ。異形番長のギレルモ・デル・トロが本作のリメイク版をプロデュースするらしいので、未見の人はそっちを待ってもいいかもしれませんね。

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