漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

不滅合体走る首/『将太の寿司2 World Stage』

 12月はクソヤバい速度で進んでいる気がする~! 何も終わってないのに時間だけが過ぎていくのでゲロ吐きそう~! その一方で「ヤレヤレ、今年もいろいろあったな~」と思い返しつつゲロを吐いております。びっくりニュース満載でしたねぇ2019年。ゴーンが変装したり、ゴーンの変装が簡単に見破られたり、ゴーンの変装を支持した弁護人が名前を出したり、「すぐばれる変装をあえて行った余裕綽々なゴーンの態度」とゴーンが持ち上げられたり…。ゴーンに始まりゴーンに終わった令和元年と言っても過言では無いですね。ゴーン以外ではなんだっけ。あれか。ラッスンゴレライが流行りましたね。あとは特に無いかな。よいお年を! 全員死ね!

 


 

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 『将太の寿司』が読み放題のKindle Unlimited、当然ながら『将太の寿司2 World Stage』も読み放題である(『ミスター味っ子2』は頑なに読み放題にならない)。この『将太2』はいわゆる2世モノ。主人公は当然、関口将太の息子である将太朗…はサブの位置にとどまり、実質的な主人公は佐治安人の息子である佐治将太である。なんで同じ名前付けたの? ヤバくね? あと奥万倉くんの息子、木下藤吉の息子、マグロ哲の息子、紺屋碧悟の息子(なんで?)なんかも登場する。
 個人的には『将太の寿司2』、前作よりも相当に面白く感じた。「世界のSUSHIが日本の寿司に殴り込みをかけてきた!」という舞台設定には面食らうが、そのおかげで寿司の利点と難点がはっきりと浮かんできたのは確かであるし、めんどくせ~泣き芸が鳴りを潜めた一方で「軽いギャグ」と「アクの強い登場人物」が絶妙なマリアージュを奏でている。特に『将太』前作ではまったく出番がなかった女性陣は出番も多く魅力的だ。息子を自分と同じ漁師に育てた結果、早死にさせてしまった意気消沈している名漁師に、うまい寿司を作って自信を取り戻してもらおうぜ! というエピソードでは「君たちの誠意は伝わった! だが、寿司はうまいとは思わん」という身もフタもないセリフを当の漁師に言わせたりしているのも個人的には好きだったりする。
 寿司漫画を描き続けてきた作者だからこそ描ける、寿司への苦言、そして未来への展望。それらをイヤミなく、エンターテインメントの文脈で描いた傑作である。