漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

怪奇蜘蛛男/『将太の寿司』

 日曜は惰眠をむさぼることに決めているので、いわゆるニチアサ枠には縁のない生活を20年くらい続けてきたが、『仮面ライダー01』は録画してちゃんと毎回観ている。「2クールで終わらすの?」みたいな感覚に陥ってしまう詰め込みぶり、脳天気の皮を被ったシビア過ぎるロボット生死観など、令和という時代の幕開けにふさわしいデタラメな娯楽野心作だと思います。

 で、ゼロワンつながりなのか「東映特撮YouTube Official」でキカイダー01を毎週放映しているのだが、これがまた一言で言えば「キチガイ」としか形容できない大傑作であった。ついでに『仮面ライダーX』『特捜ロボジャンパーソン』もこちらの東映オフィシャルで観ているのだが、意図しているのかいないのかさっぱりわからない爆笑シーンの充実っぷり、そして男女問わずフェロモン垂れ流しまくりの役者陣の熱演っぷり、連携を取るつもりがいっさい見られない脚本家たちのおらがおらがテイスト狂演っぷりにすっかりやられてしまった。この3作が濃ゆ過ぎるため『光戦隊マスクマン』『仮面ライダーアマゾン』等は観られずにいる(トンチキ摂取が致死量オーバーするので)。

 昭和50年代生まれの身で「怪獣図鑑でしか見たことがなかった」往年の特撮ヒーロー番組を実際に視聴してみると、想像以上にトンチキかついい加減であり、想像以上に熱いことに気づかされる。世の中の創作物、「本気」より強いものは無い。

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 ようやくKindle Unlimitedでも『将太の寿司』が読み放題になったので一気に読んでしまった。

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 作者である寺沢大介先生のヒット作『ミスター味っ子』は類稀なるバランス感覚で、ジャリグルメコミック&アニメの金字塔たるべき地位にまで登りつめたが、もう1つの代表作である『将太の寿司』、これがまたなかなかにヤバい。
 作中で披露される寿司自体はなかなかに美味そうである。将太のライバル、同僚、先輩といった周囲の人々についてのドラマもしっかり描かれており、長期連載にありがちな「捨てキャラ」が存在しない(笹寿司四包丁の女除く)。その一方で、いくらなんでもやり過ぎな笹寿司の妨害、途中から明らかに悪ふざけが入ってくる審査員の顔芸、話の都合上エビのタマゴやメレンゲを知らないことにされる寿司職人、あと「泣き」に特化しすぎたために寿司の味と直接関係なくなった過去エピソードといった難点もチラホラ見えてくる。見えてくるが「まあ、それもアリだな!」という謎の高揚感ですべてを納得させられてしまう。なんたることか。もはや寿司の暴力。バイオレンスオブフレッシュフィッシュである。ガタガタ言わずに全巻読んでくれ! エンターテインメントのみで構成されたうまみ調味料のごとき濃味に、いらん雑味がピリリと効いて最強に見える。しかしコイツら本当によく号泣するよな。「皆さんが号泣することを見越して、あえてシャリを薄味をしておきました!」「なんと! 涙と鼻水だけで絶妙な塩気が効いている!」柏手パアン