漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

復讐のヘアピンサーカス/『クロール -凶暴領域-』

 最近、ラグビーというものを見る機会が増えた。おれの記憶の中でのラグビーは、確か「頑丈なプロテクターを装備する」「相手に肩から思い切りぶつかっていく」「守備側は攻撃側を体当たりしてでも止めなければならない」「ボールはピッチングマシンで撃ち出す」「選手交代は不可能」「試合中に相手を死なせてもOK」「銀河でいちばん人気があるスポーツ」みたいな印象だったのだが、どうもいろいろと勘違いしていたようだ。
 しかしまあ日本でのワールドカップ開催がなかったら、ラグビーについてこんなに観たり知ったりする機会はなかなか訪れなかったに違いない。世界大会はどんなジャンルの何であれ、積極的に行ってもらいたいですね。マイナーな競技でもいいじゃない、スポーツスタッキングとかジターリングとかコッパメンとか。コッパメンはまあ私が考えたオリジナル競技ですけどね。地面に丸い文様を描き、その中で太った男2人がぶつかりあって先に体勢を崩した方が負けという…もうある? 似たようなのがあるのか。でもコッパメンは斬新な要素もたくさんあって、例えば審判は烏帽子に袴姿というオリエンタルなスタイルで、軍配を持って「はっけよいのこった」の掛け声で場を仕切るという…それももうある? そうなんだ。へえ。

 


 

 auマンデーなので『クロール -凶暴領域-』を観に行ってきまんた。制作はサム・ライミ、監督は『ピラニア3D』のアレクサンドル・アジャという豪華布陣。女子大生のヘイリーが家に帰ったらオヤジは地下室で大けがしてるし、カテゴリー5の台風が接近してきて家は今にも沈みそうだし、なお悪いことに近所のワニ園から逃げ出した大量のワニがうろついているからた~いへん、という災害パニック+アニマルパニックの美味しいどころ取りの欲張りムービー。主要人物は2人でセリフのある人物を含めても10人おらず、シチュエーションはほぼ家の地下室というこじんまりした雰囲気とは言え、小細工抜きでワニの怖さを直球に描いた理想のワニ映画ではないでしょうか。そりゃまあところどころに見られるやり過ぎ感や、この手の映画お約束の主要人物タフ過ぎ問題などはあるけれど、いまやキワモノ・ゲテモノが当たり前のこの界隈では正攻法すぎるくらいで「ワニ映画の新たなマスターピースを作るんや!」という想いはビンビン感じられる力作です。台風とワニが出てくる映画つったら空からワニが降って来るようなの想像するし。
 主人公が水泳の選手というのも、この手の映画ではありそうで意外とないタイプの実にまっとうな特技と言える。パニック映画に出てくる水泳選手ってだいたい死にますからね。そうでもないか。『ポセイドン・アドベンチャー』だけだなそれ。