労働の日々が続く。他人のスケジュールを管理してアレしなければいけないのだが、そもそもの話、自分のスケジュールを一切管理できてないおれにやらせる仕事ではない。明日6時置き確定なのに浦霞飲みながら「月曜から夜更かし」最後まで見ちゃうし。盆が、ていうか8月がこの調子で終わってしまう! このまま夏らしいことをせずに8月に終えるのはイヤ~~!と絶叫、「他人のくるぶしを炙る」「カカシに夢を語る」「ちくわに釘を詰める」等、独自のアプローチで夏を過ごす中年男性の心の闇とは。「ザ・ノンフィクション」日曜14時からの放送です。
kindle unlimitedで八神健の主要作品はだいたい読める。最近『密リターンズ!』をはじめて全巻通して読んだのだが、なんとまあ出来のいいラブコメでありましょうか。赤の他人を救うために死んだ教師・端島密が、同僚の女教師・星崎理都への愛を貫き通すため、命を落とした高校生の身体を借りて現世に舞い戻る。ただし、自分の正体がバレるとこの世にいられなくなってしまうという制約付き。理都も死んだばかりの密のことを忘れられていない状況で、一高校生として新たに愛を育んでいこうという無理ゲー状態から話はスタートする。ともかく人物の心情の描き方が細やかで、「死んだ人間がよみがえるラブコメ」というさじ加減を間違えれば速攻でチープになる題材を非常にうまく制している。単行本のオマケページを見る限り、女性読者の支持はかなり高かったように見える。そういえば本作には下ネタが一切なかったりする。
終盤は「空」といういわゆる霊気のようなエネルギーの概念が出てくるわ、復活した密が「探偵」を始めるわ、「空」を活かした戦闘技術を持つナゾの人物やら師匠的存在の強い婆さんが出てくるわ、一歩間違えればたちまち『幽遊白書』になってしまいそうなお膳立てが目白押し。編集部の意向をギリギリまで取り入れつつ、バトル展開にはしねえぞという作者の意思を感じる。ぶっちゃけた話、中盤で密がよみがえった時点で話としては完結しているので、以降の話は蛇足でしかない。ただ、蛇足と割り切るには魅力的なキャラが多すぎるので、探偵編以降をなかったことにしてしまうのももったいない。間違いなく傑作である。