漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

集団見合いで大ドンデン!/『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

 モノマネは苦手だ。というか、意味がわからない。

 佐崎さんは酒の席でモノマネを強要された時は「オヨヨ」「いらっしゃい」の三枝2択オンリーでゴリ押してきたのだが、そもそも自分の声って自覚してるのと全然違う感じで他人に聞こえてるモンですよね? だったら自分の声マネしても全然違うふうに聞こえてるんじゃない? その差を埋めるためには声マネを録音してわざわざ聞き直すという作業が必須なると思われるのだが、そんな拷問、やります? そこまで苦痛を経て手に入れられる物って何? 栄誉? 賞賛? そんな不確かなもので? わからない。ワ・カ・ラ・ナ・イ…(この後頬を伝う水が“涙”と呼ばれることを知ったのち自爆)

 


 
 それはそれとして『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を観てきました。ネタバレをダダ流しします。

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 前評判で「人間ドラマはほとんど無くて、怪獣同士のバトルばっかりだったのでサイコー!」みたいな感想をいくつか見かけたのですが、普通にウソでした。そういうのは誤解を招くからやめてほしい。人間ドラマパートはそれなりの尺を締めているのだが、感動できるような要素は皆無で、「出てくる登場人物が全員バーサーカー過ぎて人間ドラマとして成立していない」というのが正しいと思う。ほんとキチガイしか出てこないんだよ! 主人公のラッセル夫妻は言うに及ばずだし、芹沢博士もぜったいあんな行動取る必要なかったし、テロリストは残酷なわりにセキュリティガバガバだし、でもそういった描写から「人間のほうがモンスターだ」という教訓はまったく感じられません。わざわざセリフで言ってるけど! 全員エキセントリック過ぎて!

 まあ主役はゴジラたち怪獣なんでヒトの動向はどうでもよく、やはり怪獣バトルという視点から見ればなかなかのモンでしたよ。ラスト30分のボストン大決戦は最高の一言、ゴジラのゴジラたるゴジラぶりを存分に見せつけられ、「アンさんはほんまマッシヴですなあ…」と感動したところで、これまた最高のエンディングテーマ。「ゴ、ジ、ラ! ハッ! ソレソレソレソレ! ヨッ! ハッ! ホッ! ヨイヤッサ! サアサアサアサア! ゴ、ジ、ラ!」みたいな気の狂った歌詞で、リツコさんが和太鼓叩いているシーンが思い浮かぶ。

 正直なところボストン決戦までの1時間50分くらいはわりと退屈で、ストーリー自体は『FINAL WARS』より少しつまらないくらいかなと思ってたんですが、それでも時おり挟まれる宗教画みたいなビジュアルにはハッとさせられるし、モスラの神秘的な美しさには目を奪われたし、ラドンのシューティングボスみたいな動きも楽しませてくれた(今作のラドンは本当に面白い。最後も)。終わりよければすべてよしといった感じで、トータルで言えば大満足でしたよ。ガタガタ言わずに観れ。