漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

蛇笛殺人事件/『戦闘破壊学園ダンゲロス』架神恭介

 夢の中でなんらかの約束事をしてしまうと、目が覚めた時の混乱っぷりが増しますね…。新しい取引先を紹介され、「○○さんへは45分後に電話してくださいね」と念を押される夢を見た。起きてから「アレは本当に夢だっけ、もし現実だったらヤベエぞ」つって慌ててスマホの履歴を確認して、ああそんな事実は無かったんだと安心したりしてね。で、そのスマホ履歴を確認している自分も夢だったらしく、起きてからホントわけわかんねえなと。これがあと2層くらい深化したら普通に狂うかもしれない。出社したら「連絡が来ないって○○さんがこっちに電話してきたぞ!」と怒られた。

 


 

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 最近楽しく追いかけているのが、エログロラノベ『戦闘破壊学園ダンゲロス』シリーズ。本編小説は3作品出ており、すべてコミカライズされている。


 簡単に言えば「学園を舞台にした能力バトル」モノ。腐るほど出ているアレですね。本作のポイントは、ネット上で開催されるウォーシミュレーションRPG「戦闘破壊学園ダンゲロス」が基になっている点。要はTRPGのリプレイみたいなもの。ちなみにボードゲームが販売されているが、中身はこのウォーシミュレーションとはまったく異なる。

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 背景ストーリーにはいくつかのパターンがあるが、「魔人」と呼ばれる超能力学生たちが「生徒会」と「番長グループ」に分かれてブッ殺し合うのが基本。魔人はそれぞれパラメータと能力を設定することができ、能力はその威力や使い勝手から発動率・成功率が設定される。強力な能力は、それなりの制約を付けないとまともに発動できないのは念能力をご存知ならお分かりの通り。
 で、実際のゲームではこれらの魔人たちがマス目で区切られた盤上に配置され、生徒会ターン・番長グループターンごとに、それぞれの勢力のプレイヤーたちがチャットでどの魔人をどう行動させるか決めていくのだ。一見無敵に見えるような魔人でも、相性によっては瞬殺されることがある。相手の魔人の能力はわからないので、とんでもない能力or行動で想定していた戦術が総崩れになることもあるし、仲間を巻き添えにしての非情な選択を強いられることもある。
 これだけでも面白そうだが、本作の魔人たちは「ネット特有の悪ノリ」みたいなヤツが多く、能力もトンデモないものばかり。うんこを炎に・炎をうんこに変える能力、女子小学生のおしっこを操る能力、女性器から針を飛ばす能力(能力名:イガグリ真拳)などの下ネタに始まり、どう考えても戦場で役に立たないハズレ能力、厨二丸出しのカッコいい能力、普通の丸パクリなどなど…。週刊少年ジャンプ連載ではお目に描かれないような能力のオンパレード。

 で、小説&マンガ作品たる『戦闘破壊学園ダンゲロス』もその魅力を存分に発揮している。悪ふざけとしか思えない能力の持ち主が意外な活躍を見せたり、実力者と称されているキャラがつまらないミスや一瞬の油断で即退場したり…。展開の早さとエンタメの詰め込みっぷりは永遠に読んでいられるほどの心地よさ。Kindleでは短編シリーズも大量に出ており、魔人たちが野球で対決したり、怪奇現象に挑んだり、地デジを導入したりする番外編を楽しめる。ちなみに「ダンゲロス」は普通に平行世界の概念があるので、他の作品で死んだりイマイチだったキャラが大活躍したり平和な日常を過ごしていたりする。よいですね。

 原作3作目『ダンゲロス1969』の漫画版は、現在ヤングマガジンサードで連載中。ちなみに「ダンゲロス」はいろんな人の考えたキャラを使用している都合上「二次創作は無許可・無償でオールオッケー」という体裁になっており、漫画版1作目の連載の際も原作者に許可は取らなかったとの事。豪快過ぎない?