漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

鬼神村と七人の生贄/「リイドカフェ夏のホラー祭!!」

  ここ半月ほどで3回くらい、老いた犬が出てくる夢を見ている。オリジナル夢診断で里心でもついたのだろうと結論、盆は実家に帰ろうかと考えた。
 おれにとっての実家はイコール「本」。書物。置きっぱなしで整理してないので、そのうち親がブックオフでも呼びかねないと怯えている。筒井康隆の全文庫本、『うしおととら』『機動警察パトレイバー』『狂四郎2030』『アゴなしゲンとオレ物語』『魁!男塾』『行け!稲中卓球部』『GOD SAVE THE すげこまくん!』その他もろもろの全巻、『映画秘宝』月刊化以降の全冊、学研のひみつシリーズ、河出書房の世界児童文学全集、金の星社の世界こわい話ふしぎな話傑作集、「異形コレクション」全巻など…。実家に帰るということは、墓参りのついでにそうした本を縁側で寝っ転びながら読むということ。QOLの向上ってそういうもんじゃない!? 
 やはり盆は帰ろう。そして本気で整理も始めて、電子書籍も出てないような本を中心に残したらあとは駿河屋にでも…。そんなことを考えながら眠りについたら、また年老いた犬が夢に出てきた。犬は出てくるたびに抜け毛がひどくなっている。染みや斑点が目立つ地肌を露わにしながら、じっとこちらを見つめている。

 


 

 

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 阿佐ヶ谷ロフトA「リイドカフェ夏のホラー祭!!」に行ってきた。リイドカフェのホラー漫画5タイトルの作者に製作秘話やら身の毛もよだつ恐怖体験やらを聞く悪夢のようなイベント。のはず。


 最初の登壇者・しちみ楼先生(『ピーヨ』はホラーであってファンタジーではないとのこと)は、戸塚にまつわる怪談を紙芝居で披露(ちなみに本イベントは全体的にヤバい物が出過ぎたため撮影禁止)。将来的には戸塚区のゆるキャラ「ウナシー」とピーヨをコラボさせたいとのことです。ていうか初めて見たけどウナシーはキモ過ぎ。


 会場で新刊『魔装番長バンガイスト』2巻が先行販売されていた霧隠サブロー先生は、バンガイストのルーツとしてプロレスラーがミイラと戦うメキシコ映画を紹介。いわゆるサントムービーと呼ばれるヤツで、内容は完全にB級。プロレスラーがマスクのまま普段どおりに生活していて、警察からミイラ退治を依頼され(なんで?)、プロレス技ではなく普通に火炎放射で退治する話。こーいう映画だの70年代の特撮だのの、表面だけでなく「空気」を完全に再現してるのが『バンガイスト』の好きなところ。

  プロレス+ミイラをもってなお牧歌的。


 渡辺電機(株)先生は『ゾンビな毎日』の幻の第1話後半バージョンを公開。グロネタはあれど下ネタが皆無に近い『ゾンビな毎日』なのだが、この幻の原稿はド下ネタ。意図せずして、とある漫画に似すぎた展開になってしまったため現在のバージョンになったのだとか。電機(株)先生は「石ノ森プロ時代に体験した恐怖体験」なども語られましたが、本当にヒドかったです。


 黄島点心先生は今回唯一まともな制作秘話を公開。その「奇想っぷり」が際立つ『黄色い円盤』『黄色い悪夢』収録作品を例に、些細な思い付きを理詰めで膨らませて作品に昇華していく流れを解説。理路整然と話される一方で、わりとトンでもないこともさらりとおっしゃるため、やはりベーヤーな人だという印象。


 ラストは崇山祟先生。『恐怖口が目女』単行本のカンペキ過ぎる装丁について、そのオマージュ元たる怪奇漫画の数々を紹介。今回めちゃくちゃ大量の画像を用意されていたそうだが時間が押していたため紹介は一部のみ。これはまた別の機会にじっくり見てみたいものです。『口が目』も「懐かしい」だけじゃなく、理想かつ予想外の展開をバリバリに見せてくれる至福の漫画でした。さらに崇山先生はトラウマホラー『蝉を食べた少年』作者、つなん京助先生のサインも披露(会場に来ておられたのだとか。マジかよ)。

 

 最後はツイッターで募集した「ホラ―漫画合作イラストにタイトルつけちゃうぞ企画」。ここで付けられたタイトルでマジに作品を描く(かもしれない)という企画なので、会場ではバカ受けしたもののアウト過ぎるため採用されなかったものも2つばかりあった。
 以上です。メチャ楽しかったです。

 

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 物販で買ったポストカード類を壁に貼る。どんどんジョッカー基地みたいに豪華になってきて良いです。

 

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