夏が来るたび思うんだけど、スイカって人間の頭部と似すぎてません? 大きさは同じくらいだし。 中に赤いものが詰まってるし。『幽幻道士』もスイカ頭ってキャラいたし(キョンシーに噛まれたあとに自爆するやつ)。田中哲弥のホラー小説にも『猿駅』っていうスーパーのビニール袋に入れられたスイカを生首と幻視する話があるし。「スイカ割りのつもりが、砂に埋まってる人の頭をブン殴ってた!」みたいなギャグ漫画よく見る気がするし。いやもう、スイカ割りってサディスティックな愉悦も含まれてますよね。海外だとスイカの代わりにカボチャだったりするのかしら。カボチャに顔刻んだりカボチャ被ったキャラクターとかいますもんね。マヌケのことをパンプキンヘッドって言うんだっけ。擬人化しやすい野菜だか果物だかの共通点があるんですかねえ? 棒を持った男たち無言で見下ろす中、肩まで地面に埋められたジャッカル佐崎さんは必死にしゃべり続けていました。
kindle unlimitedで焼肉漫画『THE焼肉PEOPLE プルコギ』(富沢順)読む。数年前、同人誌で「グルメ漫画リスト」なるものを作って600作近くをリストアップしたのだが、富沢先生の本作や『野良麺』『殺し屋麺吉』などは漏れてしまっていた。こんな名作群をスルーしてしまったのは痛恨の極みである。
『プルコギ』はその名の通り焼肉漫画で、全3巻、かつ富沢先生なのにちゃんとストーリーがあって大変読みやすい。映画版、小説版も出ている…ていうか、いわゆるマルチメディア展開作品だったらしい。王道展開を陳腐さを感じさせずに盛り上げるワザマエを存分に楽しめる。主人公側は大衆に親しまれるホルモン屋(白肉)、ライバルは高級肉を惜しげもなく出す焼肉屋(赤肉)という対比はわかりやすく、両方の肉の良さみが実にうまそ~に描かれていて、おれはもう、もう。うまいシマチョウってうまいよね…。なぜならうまいから。脂。命の味。