漏洩まんが祭り

漫画・ゲーム・映画・怪奇の備忘録と虚無の日記

【日記】恋する餃子の涙/ハンターズ黒トリュフポテトチップス

 そういえば2021年の2月上旬、神保町の蘭州ラーメンの店に初めて寄ったのでした。久々の神保町、いろいろ様変わりしていたが、いつ行っても満員だった店が昼時でもノー行列だったので入ってみたのだった。

 神保町はなんだかんだで入れ替わりが激しい。2020年からしばらくは特にそうだった。酔の助にはもっと通いたかったし、スヰートポーズには一度も行けずじまいだった。コミック高岡の跡地は変なホットドッグの店になっていたが、開店している様子がない。まあそんなご時世だったし、行ける店には行ける時に行っておかねばと思った。

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 メニューはラーメンとトッピングのみ、ドリンクメニューすら無い硬派な品ぞろえ。その代わり麵の太さ・形状が9種類もある。細麺に太麺、スープが絡みやすい三角麺とか、ひもかわうどんかと思うくらい幅広の変な麺などもある。

 注文から85秒くらいで速攻提供され、行列が出来てても回転率を究極にするための工夫がいろいろなされてるんだろな~と感心した。具は牛肉の薄切り、パクチー、大根、ラー油という変わり種で、連日の過剰飲酒で胃が終わっている身でもおいしく頂けた。具をあらかた食べつくしたあとに蓮華でスープの底をさらうと角切りの牛肉がゴロゴロと沈んでいるのが見つかり、「こいつは嬉しいサプライズだ!」と思わず柏手をパァンと鳴らす(鳴らさない)。確かに近くにあれば通うかもな~といういい店でした。あの頃の神保町は本当に居心地のいい場所でしたよ。古本街に用事がなくても、歩いているだけで暇が潰せたし。「古本って何か」だって? そうだよな、見たことないよなあ。昔の本はもっと大きくてかさばっていて、売買の仕方も違っていたんだよ。今度はその辺りの話をしようかね。

 


 

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 相変わらずどんな顔をして読めばいいのかわからない『OH!MYコンブ ミドル』。無職のコンブやパイ助を枯れまくった絵柄で描き、読んでるほうも活力が失われる怪作である。秋元康、いっさい関わってなさそう。『ミスター味っ子2』や『将太の寿司2』が2代目グルメ漫画としても、それ以前にグルメ漫画としても完璧に近い答えをすでに出しているうえでコレというのは挑戦し過ぎなのかしなさ過ぎなのか…。
 ただ、2話に出てきた「黒トリュフチップス」がちょっと気になったので買ってきてもらった。

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 コンブは餅にコーヒー用のミルクを塗りたくり、スライスチーズと黒トリュフチップスを乗せて焼くという相変わらず試す前からリターンが釣り合わなさそうなリトルグルメを披露していたが、こちとら普通のミドルなのでそのまま食うことにした。

 これがまた、普通にうまい。ポテチにしては400円くらいするので高いっちゃあ高いのだが(Amazonとかの通販で買うと倍くらいのボッタクリ値なのでオススメしない)、酒のつまみとして考えれば適正価格だし、満足度はそこそこある。原材料を見てみると黒トリュフはいっさい使われておらず「香料」しか書かれていないので完全にダマされている気がするが、そういうところも含めて実にリトルグルメ的な気がしないでもない。ハイボールにもワインにもビールにも酎ハイにも合うと思う。

【日記】サイキョー来訪者/『おさんぽマスターズ』須藤真澄

 2020年はまあまあ年収がアップしました。頑張ったので。たまにはいいじゃないですか、こんな年があっても。文句あるか。そういうわけで昨年12月末、初めて「ふるさと納税」をしました。有吉ゼミスペシャル見ながら。理屈はまったくわからないのだが、地方に寄付をすればするほど税金が安くなり、課金した分の返礼品ももらえるというシステムである。都合良すぎない? 国家的詐欺?

 

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 申し込みをしてから2日後、2020年内に山梨県都留市のコーヒーショップから豆が届いた。年末の忙しい時期にレスポンス早すぎる。

 

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 挽きたての豆のほか、コーヒー店の店主によるお手製小冊子が付いてきた。コーヒーの生豆の水分量が焙煎にどれだけ影響するか、等のコーヒーマニア以外にはさっぱりわからない偏執的な情報がどっさり載っていて、わりとマジで感心してしまった。「こういう変態的な店主が挽いた豆なら美味いだろう」と信頼できる。じっさい美味かったです。保存。冷凍。(冊子じゃなくて豆を)

 あとクラフトビールとか日本酒セットとかが地方からバンバン届くようになったので毎日飲んでいます。あとフグ鍋とかも来ました。あとPS5ももらえた。あと5兆円。地方創生、サイコ~~~!!

 


 

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 須藤真澄新刊『おさんぽマスターズ』読む。かの名エッセイコミック『おさんぽ大王』の続編にあたる。17年の時を経て、すっかり体力がなくなった作者と編集が足を引きずりながら新たなおさんぽに挑む!!

 

 潰れる潰れると桜玉吉が自虐4コマ描いてた頃の「コミックビーム」は本当に面白かったですね。個人的には玉吉が漫画界に及ぼした影響は皆が思っている以上に大きいと思っており、その証拠に今現在ツイッタ~とかWebでエッセイ漫画を発表している男性漫画家は、みな仮面をかぶっているか黄色いかのどっちかである。知らんけど。

 

 『おさんぽマスターズ』、作者の「老いネタ」が笑えると同時に物悲しくもあり…と思ったが、そもそも『おさんぽ大王』の時点で体力ゼロだったのであんまり変わってない気もする。それよりも2020年、おさんぽにはもっとも程遠いこのご時世になぜ外出ネタで連載を!? という気がしないでもなく、ネタ探しに苦労しているフシもちょっぴり見られたりする。早く大手を振って行けるようになるといいよな、おさんぽ。また続編を期待。

【日記】熔ける海/『Y氏の隣人』吉田ひろゆき

 クリアファイルと手帳をどっさり捨てた。なんでこんなにクリアファイルがあるんだ。燃えるゴミだからいいけど。デキる社会人は手帳を使いこなす! みたいな世迷言に惑わされて買ってしまい、三日坊主で終わった手帳も束になっている。なにか重要なメモが残されていたら嫌だなと中を確かめてみたが「雅楽に達者なピカチュウ『序破急~』」とかカスみたいな文章しかなかったので安心して捨てられる。つうか手帳てスマホの下位互換だしね。スマホがブルーアイズ・ホワイトドラゴンだったら手帳はレッドアイズ・ブラックドラゴンだからね。スマホが平成の三種の神器なら薄型テレビはブラック・マジシャンだし、ロボット掃除機は人造人間サイコ・ショッカーだから。デュエル・スタンバイ! おれはイヤホンがビロビロに絡まったCDウォークマンを伏せてターンエンド!(不燃ゴミ)

 


 

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 kindle unlimitedで『Y氏の隣人』全19巻を読んだ。「名前は知ってるけど読んだことない」の代表的作品の1つな気がする。


 1話完結のオムニバスで、要はいろいろ悩みを抱えた人たちが不思議な道具を手に入れ、いろいろアレした結果生きたり死んだりするという『笑ゥせぇするまん』「週刊ストーリーランド」亜種のようなシリーズです。
 極限までに無駄な線を省いたシンプルな画、極限までに無駄な個性を省かれたシンプルな人々が独特な世界観。はっきり言って中盤以降は話のパターンが異様に狭く、「一生の運を先に使い果たして死ぬ話」「記憶だの欲だの善行だの、無形のものを取り扱う銀行の話」「なんか神様の話」「男親と息子1人の貧乏家庭の話」が延々と繰り返される。たぶん物語のパターンは10種類も無いと思う。
 じゃあつまらないのかと言われるとそんなことはなく、なんとなしにずっと読み続けてしまう。同作者の『イヴの末裔』『幸福ノ學習社』なんかは作風はほとんど変わらないのだが、1話ごとのバリエーションや物語のひねりっぷりはこっちの方がだいぶ面白い。

 

 ちなみにどおくまんプロの『摩訶不思議通販大王』もおんなじテーマの話ですが、取り扱うアイテムが下世話過ぎるのと、日本が不思議アイテムの力で第二次世界大戦に勝利する話が無駄に力入っていてこれはこれで面白いです。

 

【日記】孤高のスタンドプレイヤー/『ゴーストランドの惨劇』

 今日もPCR検査の抗議脱糞に赴くため、同志たちと待ち合わせ。喫茶店に入ると、我らの同志と思しきNOマスクのおじいさんがレジ係のマス愚民(マスクに魂を囚われた愚民の意)に入店拒否という鬼畜の所業を受けている現場に出くわす。助太刀に入ろうとした瞬間、おじいさんは「あなたが思うより健康です!」「一切合切凡庸な、あなたじゃわからないかもね」とバッサリ。これには店内の客も思わずスタンディングオベーション! 我々も「うっせぇわ」の大合唱。そこに居眠り運転のクレーン車が横転して突っ込み、客と従業員あわせ17名が即死したという。

 それはともかく、しばらくはこの疫病と延々付き合っていかなければいけないという事実を受け入れられず極端な思想に陥る人は減らねぇですね。3.11以降もよく見たけど。「コロナはただの風邪であることが判明!→ワクチンで儲けようとした死の商人が軒並み逮捕→スカットJAPAN!!」とか、その逆で「マスクしない運動をしてる連中のあいだにクラスタ発生!→【悲報】「やっぱりコロナはただの風邪じゃなかった…」NOマスク界隈大反省→スカットJAPAN!!」みたいな展開にはなかなかならないんじゃないでしょうか。

 


 

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 Amazon Primeの観放題に『ゴーストランドの惨劇』が来てたので観る。Vtuberのぽんぽこが2020年のベストに入れていたので気になっていた1作。

 いきなりH・P・ラヴクラフトが登場する開幕からツカミはばっちり。気丈な母親、ウェイ系でややウザめの姉、ホラー小説作家志望で見るからに陰キャの妹の3人一家は、亡くなった叔母の家に引っ越すため車を走らせていた。しかし引っ越し先の周囲では「家族皆殺し殺人鬼」による事件が続発、犯人もいまだ逃走中…という冒頭から、やっぱりネという感じで当の殺人鬼による理不尽な暴力が一家を襲う。しかし、この惨劇は文字通りの序章でしかなかった。

 惨劇を生き延び、ホラー小説作家として大成した妹のもとに、電話で姉からの絶叫が届く。「助けて!奴らがやって来る!!」あの日以来、完全に発狂してしまった姉は母親ともに幽閉同然のまま、当時の忌まわしき家に住んでいるのだ…。

 

 本作にはいろんな要素の「恐怖」が多重的に描かれている。圧倒的な抗えない暴力への恐怖。愛すべき家族の存在が呪縛へと変わってしまうことへの恐怖。狂っているのは誰なのか、自らの立ち位置が揺らぐことへの恐怖。中盤までは「描き方は違うけど『ヘレディタリー/継承』みたいなテーマなんかな~」と思ってたんですが、最終的には全然違いました。軽いネタバレをするなら、『ゴーストランドの惨劇』というタイトルも冒頭のラブクラフトの登場もブラフの一種で、すれたホラー観客のおれはすっかり騙されてしまった。なんかもうね~~、マジすごいんスよ。説明しちゃいけない類の傑作。グロテスクな描写も、コケ脅しのびっくり描写もほとんど無いのに圧倒的に怖い。ひさびさにやられました。完敗。傑作。

【日記】悪魔博士の実験室/『闇のシャイニング』スティーヴン・キング他

  本棚が崩壊してきたので早急に手を打たねばならない。中身はこれ以上減らせないので本棚を買い替えるしかないのだが、めんどくせ~~~~~~。新しい本棚を探すのもそれを購入して組み立てるのも本を入れ替えるのも古い本棚を粗大ゴミに出すのもすべてが壮絶にめんどくせ~~~~~~~。買い替えたところでクオリチーオブライフの向上に直結しなさそうなところもめんどくせ~~というかテンション上がらね~~~。半年以上かかりそう。
 というわけで、無理を承知で断捨離するしかないという結論に至った。要は捨てたくない本を捨てたくなるようになればいいのである。まずは作者のプライベートをよく知ることから始めた。SNSでの気の緩んだ発言、私生活のだらしなさ、ポリティカルコレクトネス的によろしくない過去の所作、調子こいたプロフィール写真等、そういうものを掘り返していくうちにどんどんクリエイターの増上慢が嫌いになり、人間が書いたもの・描いたものというだけで吐き気を覚えるようになったためすべてを焼き捨て、何のインプットも出来ず空虚な晩年を過ごしたがそれでも足らずに自らの両目を潰して狂笑した、ということになるのもよくないと思うので今度ニトリに行ってきます。

 


 

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 『闇のシャイニング リリヤの恐怖図書館』(扶桑社文庫)読了。世界最大のスティーヴン・キングファンサイトの管理人が編んだホラー・アンソロジーで、いずれもキングの作風にオマージュを捧げた短編となっている(エドガー・アラン・ポーの「告げ口心臓」除く。これ以外は日本では初訳の作品ばかりである)。年間ベスト級の傑作もある一方で、しょうもない作品はだいぶしょうもなかったりするが、この玉石混交っぷりも含めてキングらしいといえばらしいかもしれない。『骸骨乗組員』とか『深夜勤務』辺りのキングだ!

 巻頭は書籍初収録となるキング幻のレア作品「青いエアコンプレッサー」だが、まあ幻のままでもよかったような評価に困る珍作。凡庸な作品に禁じ手のメタ要素をブチ込んだ結果、特に効果をあげられずに終わったという大惨事だが、大学生時代の作品らしいし資料的な価値はあるかもしれない。
 個人的に気に入ったのはケッチャム&カセックのシンプルながら出来の良いミステリ「ネット」、往年のキレのよさを感じるクライヴ・バーカーの冒涜的聖者譚「ピジンとテリーザ」、リチャード・チズマーのあまりに哀切なゴースト・ストーリー「世界の終わり」、やっぱりラムジー・キャンベルはスゲエなと思わせるカーニバル×幻想の不穏すぎる一編「道連れ」辺りか。巻末はスウェーデンのスティーヴン・キングと評されるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(覚えにくい)による「キーパー・コンパニオン」で、TRPG「クトゥルフの呼び声」がキーアイテムとなるホラーだが、これがまた傑作なんよ~。いいんよ~。少年の肥大する自意識、その象徴たる不気味なクリーチャー、「青春の1ページ」の切り抜きかたの巧みさ、なんとも“キング”印な短編でありました。
 総じて、オリジナル・アンソロジーとしては悪くない1冊だったと思います。ファンサイトやってたらこのそうそうたるメンバーでアンソロジー組むまでコネ作れました、てのは素直にうらやましいよなあ。

 

【日記】億ションの甘い罠/『ケンカJUDO』松田一輝

 わらしべプペル企画が初手から挫折、風呂敷いっぱいの絵本を抱えて途方に暮れるジャッカル佐崎さん。小雪降る中、とぼとぼと甲州街道を歩いていると道沿いにお地蔵さんが並んでいるではありませんか。「こんな夜はお地蔵さんたちも寒かろう」とプペルを積み上げ、風を凌いであげる佐崎さんでした。その夜、枕元に現れた地蔵たちが「あなたには2つの選択肢がある。パラパラの拍手でもって迎えるのか、それとも割れんばかりの大歓声で迎えるのか。どちらでも構いません、皆さんの人生ですから。念のため、もう一回だけ言いますね。誰かが世界を変えてくれるのを待つのか、自分で変えr」絶叫を上げつつ台所の椅子を振り下ろし、地蔵たちを打ち据えるジャッカル佐崎さん。夜が明けるまで、ばらばらになった石片に何度も、何度も、何度も…。

 


 

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 『ケンカJUDO』kindle unlimitedで読む。作者は松田一輝先生。おれの中で松田先生と言えば「手堅い題材を独自の味付けで怪作に仕上げる、劇画界のデータイースト」みたいな立ち位置にあるのだが、それは勘違い拳法ヤンキー漫画『ドッ硬連』と狂気のSF野球伝奇ロマン『愛星団徒』の2作に寄るところが大きい。ただ、『ケンカJUDO』はその3作目に入れても遜色ないレベルのデタラメさで最高過ぎる。

 

1歳のころから祖母にやらされてきたとんでもないトレーニングによって、脅異のパワーを持つことになった少年・花見柔道!! 実は世界支配を企む蛇魔一族を倒すべく、柔皇一族の末裔として、この世に生を受けた救世主だった!! 蛇魔一族の柔皇一族の末裔探しが始まる中、柔道は平和な中学校生活を送っているのだが……!? 衝撃のアクション巨編、第1巻(全4巻)!

※あらすじ:Amazonより引用 

 

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 根本的な問題として、まずこれは柔道漫画ではない。主人公は世界征服を企む蛇魔一族を倒すべく、現代によみがえった柔皇一族の末裔であり、その証として聖なる「銀の柔道着」を身にまとう。ハナっからファンタジー漫画なんである。

 

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 だから敵も味方もパイルドライバーくらいは普通に繰り出すし、

 

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 終盤はビームや溶解液、サイコキネシスなどで戦うようになる。

 

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 ヒロインもいるがヒーリング魔法を使う回復役で、最初っから最後までちゃんと柔道をしているシーンはたぶん20ページも無い気がする。「柔道じゃなくてケンカJUDOだ」と言われればなにも言い返せないのだが、ここまで柔道してねぇとは思っていなかった。スポーツ漫画の根底を覆す必読の書と言えよう。

 

【日記】叫ぶ命/『頭の中の昏い唄』

 今年になってスマ~トウォッチを使うようになった。

 

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 なにより軽い。使い始めはやや違和感あるが、1日中装着していても特に気にならなくなる。あとバッテリーがアホほど持つ。1週間~10日に1回の充電でじゅうぶん。間違えて日本語対応してないバージョンのを買ってしまったが、詳細なデータ等が見られるアプリは日本語なので問題なかった。本体に表示される英語はおれの英検3級の語学力をもってすれば簡単に理解できる程度。

 

www.amazon.co.jp

 

 そもそもスマートウォッチとは何かと言うと、要はスマホアプリと連動することで健康管理ができるツールなんである。特に心拍数が計測できるのが大きい。これに加えて万歩計としての機能もあり、睡眠の質、ストレスを測定することもできる。これらの情報と脳波のパターンを併せてチェックすることで、反社会的な思想を持つ者や下品・下劣な人間をピックアップし、中央センターで常時監視を行っている。彼らが問題行動を起こせば2分以内に特殊専門チームが派遣、即座に無力化する仕組みだ。

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 本格的に運動する場合は、ウォーキングだのアスレチックだのといった設定を事前に行うことで(ワンボタンで簡単に設定可能)、運動量や消費カロリーを細かく測定できる。おれは無精なので有効活用できていないが、まあそのうちダイエットも始めるから…。ストレスレベルというのはどう計測してるのかよくわからんが、締め切り前だとか高熱出して寝込んでるときは普通にストレスがMAXになってるのでそこそこ信頼おける数値のような気がする。睡眠の質に関しては、自分の場合慢性的に低いのでけっこう気にしちゃいますね。日中にもっと運動しないとダメっぽいんだよな。

 

 他にもいろんな使い方ができそうですよね。普段は手首に付けるんですけど、試しに男性器に装着してみましょうかね。男性器の感じているストレスレベルはどんなもんなんでしょうか。こうやって、こんな感じでキツめにバンドを巻いてやれば測定可能になるって訳ですワイ。ちくわスクワット準備完了! 開始~~~ッ! ヨッ! ホッ! ハッ! 何点だ? これは何点だ!? 採点しろ! 直に採点しろ! 年収1500万のポコチ(爆発音に続いて銃声、怒号と悲鳴。遠くから聞こえるサイレン)

 


 

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 『頭の中の昏い唄』(生島治郎)読了。推理小説家にして海外ミステリ雑誌の編集長でもあった生島治郎の「奇妙な味」の短編集。大部分を真っ白にくり抜いた表紙のデザイン、すげくね? かっけくね? 帯込みでもすげさは失われていない。
 ホラー寄りでブラックジョークも多分に感じるミステリというかSFというか、要は「奇妙な味」というのがいちばんしっくり来るタイプの面白くてタチの悪い短編が10編、ショートショートが15編、連作中編が1編。早々にネタが割れてしまうもの、ひねりが少ないものもあり玉石混交だが、どれも卓越した文章力でスラスラ読める。仄暗い欲望が鈍い輝きを見せる表題作「頭の中の昏い歌」、うまい伏線の張り方の教本みたいな巧みさに舌を巻く「いやな奴」、オチはすぐ分かるけど藤子不二雄Aの厭な漫画みたいな雰囲気がたまらない「香肉」、退廃文芸の極み「蜥蜴」などは本当に素晴らしい。久々に「堪能」したという感じ。